文学という物は「インタレスト」によってその価値が決まるというのは、何となく分かったような分からないような感じだった。しかしその後にまるで大衆文学の存在を批判するような、記述がみられたが、その後には大衆文学が必要であるというような記述もみられて結局どういうことが言いたいのか分からないような本だった。その原因はこの著者がこういった主張の文章(論文)を書く能力が弱いからだと思う。そう考えると分かりよい文章を嫌う人なのかもしれない。
 ところでこの本の最後にあげられている「世界近代小説五十選」は非常に役立つと思う。これから国際化の中で教養として世界で読まれている文学を読んでおきたいがなにを読めばいいのかは、なかなか見えてこない物だったから。