「劇的とは」と言う全く抽象的で何が書いているか開いてみなければ分からないといった様な本だったが、目次を開いてみると演劇の話なんだと思って買って読んでみた。ヨーロッパ古典劇の章が一番興味があって面白かった。はじめにの所で「一種の戯曲論入門みたいになった」と書いてあったが、劇的といった抽象的なことを考えるのにそういった具体的な所から入っていくのは必然かとも思った。ついでに演劇論・戯曲論入門といった類の本も読んでみたいと思う。ちなみに、平家物語に関して触れていた章では、「鵯越という地名は神戸市兵庫区に現在存在する」とあったが現在神戸市兵庫区は北区と兵庫区に分割されたので、鵯越は北区にある。この本が書かれた時期にも既にそうだったので作者の勉強不足だろう。こう考えると本を書くのは慎重じゃなければならないなと変に考えてしまった。