言うまでもない名作だが、意外と全編を知ったのは初めてのように思う。悲劇と言うことは知っていたけれど、その悲劇と言えば第二幕第二場の「ロミオ様、なぜロミオ様でいらっしゃいますの」というジュリエットの台詞から想像される悲劇だったが、あのシーンは悲劇的なシーンではなくそれ以後のシーンが悲劇なのだと知った。
 読んでみた感想として、意外と読みやすい本だったと言うことがある。古典的な作品というと読みにくそうなイメージがあるが、そうじゃないと言うことを改めて感じた。古典的で読みにくいイメージがあるのは、日本の古典だけかも知れない。この作品の場合は訳者の腕がいいからかも知れないが。