鉛筆 私を握って下さい
詩人 今の私には詩を詠むことはできない
   たとえ 風が吹いても
   たとえ 雨音が聴こえても
紙  私はまだ白い
   私はあなたの詩を現したい
詩人 もしも天が私の脳天に
   芸術を突き落としてくれるなら
   それもできよう
   しかし今はダメだ
   私は全身を感受性の鬼としても
   心からは詩が流れない
鉛筆 私を握って下さい
紙  私はまだ白い
   私はあなたの詩を現したい
詩人 これを詩と言えるなら
   そう詠もう