チップス先生さようなら
なんだか懐かしい感じのする本だった。教師一人の歴史に学校の歴史がオーバーラップしていて、壮大な歴史になっている。この作品の作られ方としては、学校に長くいた先生からでたセリフと言うよりは、学校に感情を持たしたらこんな感じだろうなということから書かれたのではないだろうか。教師というものを主人公としているが、教師と言うよりは長老と言った感じだろうか。そんな感じを受けたのも、書かれ方が一人の歴史ということから書かれていないと感じる要素だろう。イギリスではどうなのか知らないが、日本では教師がこんなに長くいることは絶対にない。とりわけこのチップス先生のような独特の考えを持っているような教師は長期にいることは許されないだろう。僕も同じ教師が同じ学校に長くいることは好ましくないと思うが、この話を楽しく思えるのはなぜなんだろう。