以前に「美人」や「かわいい」については触れてきましたが、それと対になるといえるかも知れない「格好いい」についても考えてみようと思います。ところで「格好いい」という言葉はどういう意味なのでしょうか。この「格好いい」という言葉に限った話ではありませんが、時と場合によって言葉が表す意味というものは変わります。たとえば、車などを見て「格好いい」という言葉を用いたとすれば、それは姿や形が優れているという意味になりますし、人の発言に対して用いたとすれば、その人の考え方が優れているという意味になるでしょう。このように、言葉は用いられる状況によってその意味が変化します。
 ところで、次の場合はどういう意味になるのでしょうか。これはかなり前の話、加勢大周・織田裕二・吉田栄作の3人がアイドルとして全盛期だった頃の話です。ある女性が私に「ねぇ、加勢大周・織田裕二・吉田栄作のうち誰が一番格好いいとおもう?」と聞いてきたのです。私は、個人的に吉田栄作が一番格好いいと思ったので、そう答えました。しかしそれに対して彼女は「えー、彼って自分のこと格好いいと思ってるんだよぉ」と答えたのです、それはそれはとても嫌そうな顔をしながら。私は、このような場合は容姿が優れているという意味で、「格好いい」という言葉が用いられていると判断したのですが、彼女は容姿が良いという意味でなく考え方が優れているという意味か、容姿や考え方などすべてを含めて優れているという意味で用いていたようです。
 そんなことからふと思ったのですが、「格好いい」という言葉の意味に、姿や形が優れているという意味が含まれているのは確かだと思うのですが、一体どのような場面でその意味で用いられているのだろうかと。私は、女性達が「XX君、格好いいね」と言っている状況では「格好いい」という言葉は容姿が優れているという意味だと思っていたのですが、案外そうではないのかも知れません。容姿・能力・思想・対人などすべてを含めて優れているという意味なのかも知れません。と、ふと。まぁ、私も格好よく生きたいものだなぁ、と考えてみたりします。もちろん、この場合の「格好いい」は、いろんな面で優れているという意味で。