主人公「円」がこの巻において決断を迫られ、蛍もまた決断を迫られる。恐らく蛍は、円が決断を迫られていることを知らない。そしてそのままに蛍は円に頼っていく。もちろんこの物語の主人公は円だが、蛍から見ると自分勝手な脇役をしていることに気づく。円が決断に追い込まれているのも知らず頼っていく。
 そんな事から、僕が時折、自分だけが苦しいと思っている時がある。しかし目の前の誰かが苦しいと思っているかもしれない。そんな事実を再認識せずにいられなかった。