この作品が、「きまぐれオレンジ・ロード」に影響されて書かれていると聞いて読んでみたが、影響というよりそのままじゃないかと思った。キャラクターの面ではもちろん文体すらそうだった。だからだろうか、読んでいるうちに自分でオレンジ・ロードの番外編を読んでいるつもりで読んでしまった。
 第一巻であるせいか非常に展開がはやいように思った。円自身の多様な形での人物像が現れてくることと、蛍と小雪の人物の変化がめまぐるしかった。このように見ると、主人公の円自身はオレンジ・ロードの主人公と似ている側面をあまり持っていないような気もする。