この巻まで進むともう教育論と言うよりは人生論と言った感じに見えてくる。教育と言ってもエミールはもう恋愛を超えて結婚しようかと言ったところまで来ている。しかしながらここまで来ても、やはりエミールは「エミールの子供」に対する教育の指針を教育されることを必要とする。教育と考えると疑問を抱くけれど、人は常に勉強をしなければならないと言う方向から考えれば何となく分かるだろうか。
 この巻の前半から中頃にかけて、ソフィーという女性を通して女性論・恋愛論・結婚論が展開されていたが、現代の視点からだからだろうか、非常に疑問に思われるものが多かった。実際に女性がこの本のこの辺りの記述を読んでどう思うのだろうかという疑問も抱いた。