渡部昇一「英語の語源」を同新書で読み、その中の記述の英語で言うところの大和言葉という考え方に関心を持って、この本を手に取ってみた。この作者はもちろん英語学者であって、日本語というものは非専門分野である。しかし、外国語学習によって日本語を見つめ直すというのは非常に面白かった。そして日本語の中だけで論じられるよりも、ドイツ語や英語やフランス語の事情も併せて述べられるのが理解の助けになった。和歌等の日本文学は、余り関心事ではなかったがこれを読んで日本の文学ももっと読んだ方がいいのではないかと思った。しかしこの本を読んで一番感じたことはやはり「外国語学習のために日本語に触れること」「日本語学習のために外国語に触れること」が大事であるという当たり前だが忘れてしまって居そうな事だろう。