このエミールという教育論は、カバーにも書かれている通り自然礼賛の教育論だという事が言えるのは分かるが、そういう割には人為的な事柄が多いように感じた。自然礼賛・人為排斥というカバーの表記は言い過ぎのように思う。エミールを自然に育てるために教育者は一般以上の人為的な行為で教育しているように見える。
 この教育論を全面的に支持する気は毛頭ないが、それぞれに書かれていることに結構納得させられた。教え込む教育が批判されているが、それについてはある程度必要だと思うが、基本的には教育は待つことで行われるのがいいと思う。