SF小説は余り読まなかった。特にこのようなたくさんのキャラクターが出てくる戦争物は、読んでるうちに混乱するだろうと思って避けていた面が強い。しかし、そのような事はなくすいすいと、銀英伝の世界に引き込まれていった。はっきり言って、面白かった。戦争と言うものが多くの死を持って行われると言うことは、言うまでもないけれど、ここまでそれに苦悩しているヤン・ウェンリーというキャラクターに惹かれた。ラインハルトという天才の、思い切ったやり方も面白いものがあった。この小説は、戦史という流れの面白さもさることながら、英雄伝説と銘打つだけあって、キャラクターの個性という面において非常に惹かれるように感じる。しかし、フェザーンと地球の影の暗躍という面が見え隠れしているのが悪趣味で僕は好きだ。