読んでいて感じたのは内容が古いということ。1998年に書かれた本なので、そこから既に8年が過ぎている事になる。この本に書かれている電子マネーやインターネットでの決済手段などは、方法は違うけれど実際に実用化されていることが多い。
 この本に示されているECが世の中に与えるインパクトや考え方などは参考になった部分が多い。メーカーの直販ビジネスや、ネットワークの連携を生かしたワンストップサービスなどは、まだまだ不便な面や課題も多いが、現在は実際に動き始めている。そのようなプラスの面以外に、電子マネーやネットを活用したマネーロンダリングの問題や個人情報保護(電子マネーを使用した購買履歴情報の管理の問題)も取り上げられている。現在の電子マネーにおいて、このような課題がどのように扱われているかは、勉強不足で知らない。このような点は知っておく必要があると感じた。
 ただ正直なところ、この本にかかれているECを支える技術面の話題はあまり参考にならなかった。現在、主流ではないと思われることも取り上げられており、混乱してしまう可能性もあるので技術面を期待するならば、この本はあまりお薦めできない。