鉄道業界の解説本。鉄道の歴史や、鉄道各社(JR東日本・JR西日本・JR東海・JR北海道・JR四国・JR九州・JR貨物・東武・西武・京成・京王・小田急・東急・京急・相鉄・名鉄・近鉄・南海・京阪・阪急・阪神・西鉄)の実態や経営戦略、地下鉄、鉄道技術、鉄道周辺のビジネスなどの話題が取り上げられている。このような本を読んでみると、鉄道会社がどれだけ自分たちの生活に密接に関わっているのかと言うことを認識させられる。移動手段としてだけでは無く、流通・不動産など様々な分野で地域社会の生活に関わっている。具体的には、千里ニュータウン(阪急)や田園調布(東急)などの不動産ビジネス、阪神タイガース(阪神)や西武ライオンズ(西武)などのスポーツビジネスなどがある。そのほかにも、沿線のスーパーや書店など数えればきりがない。
 鉄道会社は都市部でも利用者の減少に悩まされており、将来性という意味ではあまり明るい話題がないような気もする。しかしこの本では、東京大阪間のリニア新幹線計画や、CO2排出削減のために物流を鉄道にシフトするモーダルシフトなど、夢のある将来の話題が取り上げられており、興味を持って読むことができた。
 この本を読んでいると日本中の駅名が出てくる。関東圏・関西圏の地名はだいたい分かるのだが、中京圏・北九州の地名となるとさっぱり分からなくて、「19xx年に○○から△△間が開通した」と書かれていても、頭の中でどのような路線(山岳線?、都市間路線?、観光路線?、港湾設備との接続線?)なのかもイメージできず、その距離もイメージできなかった。自分が日本の地理を分かってないことが情けなくもあり、悔しくもあった。