社会人の大学・大学院入試のための小論文の書き方を示した本。小論文の書き方や勉強法と、実際の小論文とその添削例が掲載されている。小論文の書き方を学ぶ上で参考となる本ではあるが、全般的に少し物足りない印象を受けた。
 小論文の書き方では、日本語の使い方、小論文の構成法などが示されている。基本的な文書の書き方と心構えで終わってしまっており、受験対策本としての実用性と言う面を考えると、具体性に乏しく内容不足ではないかと思う。
 実際の小論文と添削例では、著者が学院長を勤める青山IGC学院と言う社会人向けの予備校の生徒が実際に書いた小論文の添削例と言うことなので、小論文を書く上でどのような点でミスや考慮不足を生じやすいかを具体的に見ることができ、参考になった。ただ、生の小論文というリアルさがあるのは確かだが、書籍として出版するのであれば、そのようなミスや考慮不足を生じやすい点を体系的に整理して、読者に伝えるべきなのではないだろうか、とも感じた。