「勉強の仕方」というようなテーマの本は、高校生時に本屋で立ち読みしたくらいで、あまり読んだ事が無かった。このような勉強の仕方の本は、精神論のような事ばかりで、あまり実用的ではないのかなというイメージがあったのだが、実際にこの本を読んでみると結構、実用的だと言う印象を持った。ただし、この本で示されている勉強法で、「できれば、一日○時間くらいは〜したい」と言うように説明されている部分をすべて正直にやるのは、英語が専門の学生でもない限り、不可能ではないかなと感じた。
 TOEFLでは、リスニング、リーディング、文法とライティング、スピーキングの能力が試される。この各分野ごとに勉強法が解説されている。どの分野でも「きちんと」と「たくさん」を上手く組み合わせて勉強することが重要であると言うことが書かれている。例えばリーディングでは、通読、精読、速読という三段階の勉強法で、一通り読む、辞書を使いながらしっかり読む、理解した上でもう一度一通り読むという「きちんと」の勉強。「たくさん」の勉強は、日本語訳がついているテキストを利用し、日本語訳を読んでしまった上で英文を読むという方法での多読。またこの本では、これらの勉強を行う上で、具体的にどのような教材を利用できるかも紹介されているので、たいへん参考になる。