AsteriskというオープンソースのIP-PBXソフトウェアを使って、お手軽にIP電話システムを作るという取り組みが解説されている。お手軽と言っても、Linuxの基本的な管理方法を知っていること、PBXにするためのPCが一台くらい余っているという条件がつく。しかし従来のPBXのイメージから考えれば随分とお手軽であることは確かで、LinuxがインストールされたPC、電話回線接続用のインターフェイスボード、SIP対応のIP電話機があれば、家庭でもPBXを構築することができる。実際、この本と出会うまでは、PBXが家庭でも構築できるようなものである(になっている)と言うことは、全く知らなかった。
 この本を手に取ったのは、IP電話システムで何ができるのかという事を具体的に(実際の運用に即した内容で)知りたいと言うことだったのだが、内線の設定、自動応答、ボイスメール、FAXなどの運用イメージを知ることができた。もちろんこの本で解説されているのはAsteriskでの運用に特化したものだが、どんなシステムでも基本は同じだろう。残念ながら、Asterisk以外のPBXの解説書を一般の書店で見たことが無いので、検証はできないが会社で内線電話を利用する限りでは、この本で解説されている機能で、基本的なものは網羅されているように思う。