会計の本ではあるが、簿記のような会計の仕組みが書かれた本ではなく、経営の視点から会計をとらえた本。例えば、財務諸表(B/S、P/L、キャッシュフロー計算書)をみて、その企業がどのような特徴を持っているのか、どのような考え方でビジネスを遂行しているのかを把握するためには何を見ればよいかが書かれていたりする。簿記の場合は、資産・資本・負債を算出するためにどのように積み上げていくかを学ぶことから考えれば、対照的だ。ただ、基本的な簿記の知識はあった方が理解しやすいとは感じた。改めてだが、やはり簿記もきちんと勉強しておこうと感じた。
 ところで、この本には先ほど書いたような、財務諸表を外から見ると言う事だけではなく。後半は管理会計、企業の運営に生かすための会計、について記されている。損益分岐点分析、ABC(活動基準原価計算)などの解説がされているが、それぞれのツールの仕組みだけでなく、そのツールを適用する際について注意すべき点(そのツールが表せる限界点や、そのツールを重視しすぎた場合に発生しがちな問題点)などがきちんと抑えられているところは、実ビジネスに役立てることが意識されている。ただ、僕自身の読み終わった後の感想は、まだまだ使いこなせないだろうなと言う感じ。特に、バランストスコアカードについては、ほとんど理解できていない。