「きゅうり」に妙にウケた。誰の仕業なのかというよりも、どうして「きゅうり」なのかということを、真剣に考えているあたりが、非常に馬鹿らしくてよい。いろいろな面で一巻目と同じ雰囲気の作品で読者を裏切らず、上手く型にはまっている印象を受けた。
 表紙のイラストを見てもわかるかも知れないが、1巻では妹の小百合を、2巻では兄の一弥をメインに据えて物語が展開されている。小人のパウエルは主に、1巻では小百合の部屋で、2巻では一弥の学校で、行動する。1巻と2巻で、メインとする場面を変えることで、無理なく(1巻では登場しなかった)新キャラクタを加えることに成功している。ただ感じたのは、せっかく様々な場面で小人が登場しているので、もっと小人から見た巨人の世界を描写した方が、より物語に臨場感が出るのではないかと言うこと。