ビジネスにおける考え方の教科書。演繹・帰納的思考、因果関係、構造的アプローチなどの手法が演習問題を交えながら解説されている。MBAマネジメント・ブックが解説ばかりであったのに対して、こちらの本は読みながらいろいろと考える練習をすることができるように構成されており、興味深く読み進める事ができた。
 考え方の本というと自己啓発書のような本が思い浮かぶけれど、この本はそのような本とは一線を画していると思う。考え方が科学的・論理的であることに注意しながら、かつビジネスのスピードに対応できるように(本質を落とさないように気をつけながら)妥協する必要があることが書かれている。自己啓発書などにはなかなか存在しない発想だと思う。
 この本をすべて読んでみたけれど、練習問題やケースについては、ざっと読み進めてしまった感があるので、もう一度じっくりと読んでみたいと思う。また、この本で紹介されていた「考える技術・書く技術」(バーバラ・ミント著)、「問題解決プロフェッショナル」(齋藤嘉則著)も機会を見つけて読んでみたい。