26のテクニックとして次のテクニックが示されている。IQテクとして、「ゴールイメージング」「交渉素材の提示」「ファクト・ファインディング」「Must/Wantのレベリング」「QCD×4M」「Win?Loseライン」「ゴールクリエーション」「センス・コンストラクション」「T字の原理」「SPTの最適化」「合意環境の構築」「未決定の決定」。EQテクとして、「ペーシング」「他社さんは〜の威力」「セルフモニタリング」「開いた質問 閉じた質問」「北風と太陽」「Yes?Butの法則」「おかめ八目」「責任感の提示」「犯人探しはタブー」「執着心の提示」「今回に限り」「Yesと言いやすい雰囲気」「意志入れ」。
 こうやって並べてみると結構たくさんある感じがするが、実際にこれらの説明には各1ページづつしかさかれていない。この本では、それらの説明よりも、これらのテクニックを実践でどのように使うかを、顧客とSEとの会話形式で示すことにより多くのページがさかれている。その交渉の物語が上手くできすぎている感じもするが、それぞれのテクニックを交渉の場面でどのように使うのかを少しイメージしやすくなっていると思う。
 著者の後書きにもあるが、これを読んだからといって交渉がスムーズにできるようになるかと言えば、NOだと思うけれど、この本を読むことによって気づく部分はあると思う。僕が特に印象に残ったのは「Must/Wantのレベリング」の項目。優先順位の付け方だけれど、高・中・低などではどういったレベルなのかが全くわからない、そこでMust・Want・Dreamの三段階にするというレベリング手法。このレベル付けならば曖昧さはかなり防ぐことができるという印象を持った。