TVのサスペンスなどでもお馴染みの探偵、浅見光彦シリーズの第一作目である。どうしてこの小説を読んだのかというと、東京都北区である。作者の内田康夫氏が東京都北区西ヶ原出身なのだが、この小説に現れる探偵、浅見光彦は東京都北区西ヶ原に住んでいる。「新・東京23区物語」を読んでから東京都北区について調べていたのだが王子近辺を調べている時に、浅見光彦が北区に住んでいる設定になっている事実に突き当たった。ということで、早速この小説を読んでみたという訳である。
 東京都北区についてはこのくらいにしておいて、読んでみた感想だが、TVのサスペンスものの原作なので読みやすいだろうと思っていたが、やはり読みやすくてすぐに読み終えることができた。物語の始まりは正法寺美也子が殺害される場面まで静かに始まる、そして事件の捜査が始まる、前半の終わりになってやっと浅見光彦が現れる。浅見光彦が現れてから事件の解決までテンポよく物語が展開する。このように物語をざっと振り返ってみると、なるほど読ませる構成になっているなぁと感じる。
 浅見光彦シリーズには「浅見光彦殺人事件」という作品があるが、この作品は浅見光彦シリーズを3冊以上読んだ読者のみお読み下さい、と作者からの注意書きがある。ということなのでまずは3作品、このシリーズを読んでみようか。