この内容であれば、「京都人と大阪人」というタイトルで良かったのではないだろうか。「京都人と大阪人」というタイトルであれば、購入してはいなかっただろうが。京都や大阪の人が読めば面白いのでは無いかと思うが、神戸人にとってはちょっと物足りない感じだった。書名にある「こんなに違う」というような比較に着目した内容を期待して読むと裏切られる内容だと思う。京阪神の違いという題材は、たいへん面白いと思うのだが、それぞれの地域の風土の紹介という感じで、あまり違いに着目している内容ではなかったと思う。
 とは言え、言い得ていて面白いなという部分もあったので、ざっと紹介すると、
・京都人と神戸人は関西人と呼ばれることを嫌う、大阪人は気にしない
・大阪人は京都人や神戸人と仲が悪いが、京都人と神戸人は仲が良い
・京都人はイケズ、大阪人はお喋り、神戸人は腹黒
 それ以外に、よく言われる言い回しとして以下のものも登場する。
・大阪で稼いで、神戸に住み、京都で遊べば、これほど幸せなことはない
・京の着だおれ、大阪の食いだおれ、神戸の履きだおれ
 ところでこの本、神戸三宮のジュンク堂書店で平積みされているのを見て購入した本だが、初版が2003年3月と言うと半年以上前の本になる。当然東京では既に平積みなどされていない訳だが、注目される本というものは地域によって大幅に変わるものなのだなぁと改めて感じた。