最近割と読んできた赤川次郎の作品とは少し趣が違う作品だったと感じた。ピアノを弾く外向的な姉が、ヴァイオリンを奏く内気な妹に対していろいろな意味で手助けをして、その妹が成長していく話というのがあらすじになるのだろう。まず途中まで読んでいた段階で、この話ではいつになったら殺人が起こるのだろうと言う疑問がずっと起こっていた。そしてその殺人が本の中盤をすぎたあたりで起こったが、いったい誰がこの殺人の解決に乗り出すのだろうかと思っていると、誰も事件の解決のために奔走しない。そういうところに違和感を感じたが、あまり作品の展開自体が斬新だという感じはしなかった。それは僕が赤川次郎の作品に対して固定観念を持っていたので違和感を感じただけだろう。しかし赤川次郎の作品はいつも通りの展開で無ければなんだかしっくりこない、というのも感想だろう。