正に記録と言った文体で、やはり読みにくいと言う感じはあった。初めは取っつきにくかったが、だんだん文体に慣れてきてはまれるようになってきたのは、いつも通りという感じだ。それにしても、これだけの壮大な、記録のような文章を、作ってしまうのは凄いと感じた。医者や神父や囚人など、非常に変わった立場の人間からの意見が程良く入っていた。その意見がそれぞれなのだが、妙にバランスが良かったような気がした。一種の恐慌状態なので、どんなことでもまともであり、まともでない、と言う感じだろうかと思った。最後の所で、ペストは何時幸福をおそうかわからない。と言った記述はあまりにも予想でき過ぎた物だった様に感じる。