ビジネス上、KPIという言葉を使う事が多々ある。


私の身近だけかもしれないが、
KPIという言葉が単なる目標として扱われていることが多くて、
違和感を感じる事が多い。
目標という理解でも、間違っている訳ではないのだが、
単なる目標として扱ってしまうと、
間違った方向にビジネスを進めてしまうリスクがある。


KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、
直訳すると「鍵となる遂行上の計測指標」となる。


ここで例として、
東京から10時間後に大阪に行くという目的を達成するための、
KPIを考えてみる事にする。


自動車で移動するとして、
東京大阪間の距離が約400km(直線距離)なので、
400km/10時間と計算して、
最低でも40km/hで走らなければ到着できない事になる。
ここでいう「40km/h以上で走ること」がKPIにあたる。


40km/h以上で走れば、10時間後に大阪に到着できるので、
40km/hを目標にして走るという事は間違ってはいない。
# 直線距離で計算しているので実際には不可能だが
しかし、KPIを単なる目標としてしか見ていないと、
「自動車ではなく新幹線で移動してはダメなのか?」
というように視点を切り替えることができない。
# 渋滞のリスクなどを考えると新幹線で移動した方が、
# 安全だということは容易に想像できる


ビジネスの例に置き換えると。
一ヶ月で契約を30本とる目的を達成するための、
営業電話を日に20本かけるというKPIを設定したとする。
過去実績で、営業電話20本当たり1本の契約がとれていたとすると、
一見、妥当なKPI設定だと考えられる。
が、30,40本営業電話をかけても契約が1本も取れないような状況になった時、
KPIを単なる目標として扱っていると、目標達成で終わってしまう。
KPIを計測指標としてとらえていると、
・この商材の営業として、営業電話という方法は効率がよいのか?
・過去実績は既に取引のある相手中心で、
 電話営業で取りやすい契約は既に刈り取られていたりはしないか?
といったような考察を深めたり、視点の切り替えができる。


KPIとは計測指標、
「目標達成に必要な行動を定量的に表したもの」なので、
必要な行動を定義する際に適切に設定できていなかったり、
状況変化によって見直す必要が出てくるものなのである。


KPIを単なる目標として、
達成するために頑張ることが完全に間違っているとまで言わないが、
少し高い目線からKPIを見てみると、
より効率のよい働き方が出来るのでは無いだろうか?