社会人になり、会社員として働くようになってから、
先輩達と僕との間で、
人材育成についての考え方が違うなと感じていたことがあるので
ここで整理してみたいと思う。


私自身は就職氷河期の2000年から社会人として働くようになったが、
この頃から世間では、
派遣などの非正規雇用や、業務の外注化(アウトソーシング)が増え、
正社員の仕事が、派遣や外注に置き換えられてきたと考えられる。


正社員とそれ以外(派遣や外注)の違いはいろいろあるが、ここでは、
「今後も継続的に一緒に仕事をし続けることが想定されるか否か」
という点に着目したい。


正社員相手に仕事をする場合は、
「今回はできなかったかわりに、次からはできるようになった」
という状態は会社の財産になりプラスなので、
「今回はアウトプットの質は問わず、勉強させるつもりで仕事を任せる」
ということが可能になる。
しかし、
次があるかどうかわからない派遣や外注相手では、これは通用しない。
派遣や外注の場合は、常にアウトプットをきちんと出してもらう必要がある。


派遣や外注を管理する立場で仕事をすると、
その業務を知らない or スキルが低い人が加わっても、
即戦力としてアウトプットを出してもらえるような環境を作るようになる。
具体的には、
社内標準のやり方ではなく業界標準のやり方を採用したり、
マニュアルを整備したり、
その業務を知らないとできないようなことは自分でやるようにする、
といったことに配慮するようになる。


と、ここまでが僕が派遣や外注を管理する立場で仕事をしていて、
配慮していたことなのだが、
先輩達と話をすると、このような管理の仕方はどうもウケが悪い。


そこで少し考えてみたのだが、
先輩達の時代は、管理する対象が正社員ばかりだったので、
その仕事のアウトプットの質は低くても、
そこで関わった正社員達が良い経験を積めたらOKという考え方があったんだろうな。
ということに思い当たった。


実際にトラブルになるような仕事には、
いろいろな人に相談したり怒られたりして人脈が広がったり、
なぜこのようなトラブルになったのかを考えるようになったり、
そもそもトラブルになるような仕事はチャレンジングな内容だったり、
と、人が成長する要素がいっぱい詰まっている。


だから人を育てるためには、
「失敗しても構わないからやってみろ」という姿勢がウケがいいんだろうなと感じた。


だけど、
やはり正社員相手と、派遣や外注相手の管理では考え方は違う。
派遣や外注相手では、
きちんとアウトプットを出してもらえるような環境で働いてもらう必要がある。
「失敗しても構わないからやってみろ」という姿勢で、
仕事を任せられる状況があった正規雇用の時代って羨ましいなとは思うけれど。。


# 補足ですが。
# 派遣や外注の方に成長する機会を与えないという意味ではなく、
# 人材育成のためにアウトプット度外視まではできないという意味です。
# もちろん、学ぶ姿勢がある派遣や外注の方には、
# マネジメントや技術のノウハウなどをお教えしています。。