最近、やたら「ブラック企業」という言葉を耳にすることが増えた気がするので、
どうしてブラック企業になるのか? ということを少し考えてみました。


ブラック企業とは、
一般的に「労働者を違法状態で過剰に働かせている企業」を指すと考えていますが。


 労働者が企業に提供するもの: 適法な労働量 + 違法な労働量
 企業が労働者に提供するもの: 適法な労働分の給与


という構図になっていて、
企業が労働者から提供されたものの報酬の一部しか支払っていない事が、
ひとつの問題だと考えています。


だから、
「経営する企業をブラック企業にするなんて、けしからん」
というのは、確かにその通りなのだけれど。
経営者も、自分の経営する会社をブラック企業にしたい訳ではなくて、
結果的にブラック企業(ブラックと呼ばれてしまう企業)になっているんだと想像しています。


 たくさん働かせる→労働者が高いパフォーマンスを出す→儲かる


という構図が成り立っているのであれば(企業側にとって)いいことなのですが、
たくさん働かせたからといって高いパフォーマンスが出るわけでもなく、
むしろきちんと休憩した方が、
作業効率やモチベーションが上がる可能性も高いのではないかとも考えられます。


そう考えていくと、ブラック企業とは、
「労働者が高いパフォーマンスを出せるような環境作りが下手な企業」と
言い換えてもいいのかもしれません。


定時退社日とかリフレッシュ休暇とかの制度設計などももちろんありますが。
それに加えて、
マネジメント力のある人を管理職にすることも大切。
計画性もなく場当たり的に仕事を割り振ってしまう管理職であれば、
部下の労働者は無理な仕事を強いられた上に、
結果的に適法な労働時間を超え、違法状態を隠すために給与を踏み倒す。
という状態になってしまうことが考えられます。


経営者にその気がなくても、
ブラック企業になってしまっている事は日常茶飯事ではないかと思います。
経営者が何も努力しなければ、
基本的に、企業は勝手にブラックになるものだと私は思っています。


だから経営者は、ブラック企業と呼ばれないようにするには、
常に労働者が高いパフォーマンスを出せる環境を作る努力をする必要がある。
そのためにも、特に労働者を管理する立場の管理職の人事は、
経営者へのゴマすりがうまい人を選ぶのではなくて、
きちんとマネジメント力のある人を選んでいくべきだと考えています。


経営者は、自分の企業がブラックではないかと言われたら、
「労働者が高いパフォーマンスを発揮できなくなってきているのではないか?」
と疑う機会なので、
その機会に労働環境や管理職の人事を見直すことができれば、
その企業も、きっともっと成長・発展していくことができるのではないかな。


ということを、
ブラック企業が生まれる理由から、少し考えてみました。