もう何年も前の話だが、くだらないことをして遊んでいた。


会社で、親しい同世代の仲間で集まって飲み会をしていた。
その飲み会である先輩がいろいろと、
面白いことを言っていたのだ。
知的好奇心を煽るとか、エンターテイメント性があるわけでなく、
単に、やらなければならない仕事があるにも関わらず、
合コンに行きたいからといって嘘をついて会社を抜け出してきた話
というような、飲み会でありがちな話題だった。


で、そこで終われば、
ありがちな普通の飲み会だったのだが、
僕はその飲み会の次の日に悪乗りで、
その先輩が言ったことを議事録の形式にまとめてみた。
MicrosoftWordでビジネス文書としての体裁を整えて、
で、その議事録を一緒に飲み会に参加していた同僚に回覧をして、
「そういえばあんなことも言ってたね」「こんなことも言ってたね」
という感じで、どんどん書き足していくと、
ほぼ完璧な議事録が完成してしまった。
もちろん内容は、すでに述べたようなくだらない内容だ。


ところが、
これをしらふで仕事中に読むと滅茶苦茶面白いのだ。
# 仕事しろよという指摘が、入りそうですが。


くだらないことを、
くそまじめな形で体裁を整えて整理すると面白い。
これは、
「くだらないこと」を「まじめに」してしまうとユーモアなのだが、
ユーモアという側面以外に、
本来一過性であるはずの飲み会での話題を、
保存するスタイルの議事録にまとめるという
メディアを置換してしまう面白さがあったのではないかと思う。


近頃、ネットメディアでtsudaるという言葉が使われているのだが、
これは目の前の光景を淡々と文章にして、twitterなどにつぶやく行為をさす。
要するに、twitterなどを使った実況中継のことを指す。


そんなことをして何が面白いだろうのか?
と思うのだが、これが結構面白い。


何かのセミナーに参加している人がセミナーの内容や様子を淡々とtsudaる。
それを沢山の人が行うことで、
そのセミナーに参加していない人でも、
参加したかのように参加者の視点で感じることができる。
実際にセミナー会場は静かなのに、
tsudaられるtwitterのタイムラインをみていると、
すごく盛り上がっているように感じることもあるらしい。


そんな最近のネットメディアのtsudaる行為の存在を知った時、
自分が昔やった、本当にくだらない悪ふざけを思い出した。
そしてtsudaるって凄く面白いかもしれない。そう感じたのだ。