日本は「ものづくり」が得意だ。
インドや中国のような新興国の追い上げがすごい。


というようなことが、頻繁に世間で言われている。


ところでそもそも「ものづくり」ってなんだろう?
そんなことをふと考えるのだ。


以下の本では、
日本の半導体の技術は「生産技術」という意味では、
海外のメーカーに負けていたのではないかと言った事が述べられている。


湯之上隆:日本「半導体」敗戦 (光文社ペーパーバックス)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4334934692


また、ソフトウェアの「ものづくり」という意味で考えた時、
日本企業は、海外のソフトウェア会社よりも、
よい「ものづくり」ができているのだろうか?
例えば、アップルのiTunesと、ソニーのSonicStageを比較して、
安定性や使いやすさで、SonicStageの方が優れていると言えるだろうか?


そんなことを考えた時、
『日本は「ものづくり」が得意だ。』
という時の「ものづくり」って、何を指しているのかと疑問に思うのだ。


この事に関して、
『日本の得意な「ものづくり」は、
 細かいものを丁寧に作るといったような作業であって、
 アイデアが求められるようなことは得意ではない』
ということを言っている人が居た。


が、それも明らかにおかしいと思う。
例えば、日本の新幹線などは、
地上を走るジェット機と呼んだ方がいいような、
従来の鉄道から一線を画す、アイデア溢れる「ものづくり」だと思う。
優れた「ものづくり」には、アイデアや発想の転換が不可欠だ。


日本人が得意とする領域は何なのか?
「ものづくり」という曖昧な言葉を使っているだけで、
本当に日本人が得意な領域や、
強みの部分って誰も分かっていないのではないだろうか。


「よく分からないけど、僕たちはすごいんだ」
と言っている人達の将来は、どんな姿になるんだろう?
自分たちの姿、ちょっとまじめに見直してみた方がいいと思う。