同業他社から優秀な人材を引き抜くためには、どのように計画しアクションをおこす必要が有るのかを解説した本。企業変革のためには即戦力を採用する必要がある。そのためには、求人広告を出すような待ちの姿勢ではなく、求職活動を行っていない優秀な人材を積極的に採っていく必要がある。ということや、その企業にとって必要な人材はどのような人材なのか。そもそも人を採用する必要があるのか。優秀な人材を採用したいといっても、どのような能力に優先度・比重をおくのか? ということをヘッドハンティングをする前にしっかり考える必要が有るということが前半で述べられている。後半では、ヘッドハントする人材をどのように口説き落とすのかということが述べられている。
 後半の人の口説き落とし方のノウハウは読んでいて新鮮だった。営業トークっぽいという印象を受けたが、言い方を含めて、上手く話を持っていけば人を動かすことは出来るのかも知れないなと感じた。
 前半のヘッドハンティングの計画については、なるほど納得できる内容がたくさん含まれていた。特に、そもそも人を採用する必要があるのか? という下りに関しては、特に印象に残った。ヘッドハントの対象となるようなマネジメント層の人材はどの企業でも人材不足で、そのような人材を採用できれば、ポストはいくらでも有るような印象がある。が、そもそも現在、その企業に存在するポストが本当に必要なのかを検討すれば人を補充する必要は無いのかもしれない、という視点。当たり前のことなのだが、新卒採用のように数の確保が目的ではないヘッドハントの場合には、言われなければ忘れてしまいそうな点だと感じた。