コンテンツ管理システムという言葉を耳にしたことがある人は少ないとは思うが、コンテンツ管理システムとは、文書や画像などのデータを管理するための情報システムのことを指す。一般的に情報システムは数値データを扱うことが多いので、文書や画像などを扱うシステムを指してコンテンツ管理システムと言う。この中でも特にWebサイトに公開するための情報を管理するシステムのことをWebコンテンツ管理システムというのだが、世間ではこのWebコンテンツ管理システムのことを俗にコンテンツ管理システムということが多いようだ。
 このWebコンテンツ管理システムには本書のFatWire以外に、商用のものではNOREN、Interwoven、BroadVision、Vignette、Stellent、MS-CMSなど、オープンソースではXoops、Zope、OpenCMSなどが多数のソフトウェアが存在する。この中で僕がだいたいどのような特徴を持ったソフトウェアかを知っているものは、5つくらい。その中でも、それぞれのソフトウェアがいろいろな特徴を持っており、一口にコンテンツ管理システムと言ってもいろいろあるという事を知っている。この本で紹介されているFatWireは、Webサーバへのコンテンツの配信という仕組みと、Webサーバ側でのパーソナライズ(Webサイトにログインしたユーザの情報によって表示を切り替える機能)の組み合わせに特徴を持っている製品である。
 この本では、FatWireの考え方、紹介、添付CD-ROMを使った試用方法が紹介されている。その中のFatWireの考え方で、FatWireは定性情報のERPを目指しているとの記載に関心を持った。単にWebサイトの作成ツールというのではなく、企業内の文書・画像の定性情報を管理するためのフレームワークを構築しようと言うことはシステム化の発想として非常に納得できた。現状のFatWireにその役を担えるほどの能力があるか否かは別として。
 発想は良いソフトウェアかと思うので、時間を見つけて、添付CD-ROMのJumpStartKit(デモ版?)をインストールしてので、試用してみようと思う。