お馴染みグロービスのMBAシリーズ、この本はリーダーシップというテーマが取り上げられている。リーダーシップ行動モデル、変革リーダーシップの技術、適合的リーダーシップの技術という3章構成となっている。一通り読んではみたものの、もう一度読まないといまいち良く理解できないなと言うのが第一の感想。
 僕だけのイメージかも知れないが、リーダーシップのような人間の行動をテーマにした本というと、心理学っぽく、ウェスタンエレクトリック社のホーソーン工場の実験のようなことが触れられているのかと思っていたが、この本はビジネスに直結する、実践に近い内容の本だった。この本のあとがきでも触れられていることだが、「リーダーシップ論は、論者の数だけある」ということで、この本を読むことで一通りのリーダーシップの知識が得られたと言う感覚はない。あくまでも、実践に生かせそうな内容が取り上げられていると、言えるのではないかと思う。
 この本全般で触れられていることだが、リーダーシップのスタイルとして絶対的に良いスタイルというものがあるわけではなく、ケースバイケースで状況に応じて適したスタイルがあると言われている。この本で取り上げられているリーダーシップ行動モデルとして、価値創造型、目標達成型、戦略実行型、人材育成型がある。どれも大事なのだが、これらの要素を同時に持つことはスタイルを曖昧にしてしまい、どっちつかずに鳴ってしまうリスクがある。状況に応じてスタイルを決めるということだが、状況把握と行動決定まで、この一面だけをとってもリーダシップを発揮するということは考えることが多い。