このエントリは、WSLgでPyCharmを動かす環境を構築する手順のメモです。

PyCharm Professional版を使うと、
WindowsのPyCharmからWSLのPythonを扱うことも出来るのですが。
環境をまたがると、いろいろ混乱するので、
ここでは、WSLgを使ってLinux環境でPyCharmを動かすことにします。

Windows側で動かした方が日本語入力はやりやすいのですが、
プログラム書く時にあんまり日本語使わないかと思うので、

以下の流れで作業を進めていきます。

  • 日本語環境の設定
    • 日本語フォントの設定
    • 日本語入力環境の設定
    • 変換・無変換キーでMozcの有効無効を切り替える設定
  • PyCharmのインストールと設定
    • PyCharmのダウンロードとインストール
    • PyCharmへのブラウザの設定
    • Windows側にショートカットを作る

前提としてWSL、Ubuntuのセットアップはできているものとします。

日本語環境の設定

WSLで日本語を利用できるように設定します。以下のサイトを参考に設定します。

Win11のWSL2 (WSLg)を日本語化 & Mozcで日本語入力 | AsTechLog
https://astherier.com/blog/2021/07/windows11-wsl2-wslg-japanese/

日本語フォントの設定

WSL側から、Windowsのフォントを利用出来るように設定。

以下の内容で /etc/fonts/local.conf を作成。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
<fontconfig>
    <dir>/mnt/c/Windows/Fonts</dir>
</fontconfig>

日本語入力環境の設定

日本語パックのインストールとLocaleを設定。

sudo apt -y install language-pack-ja
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF8

FcitxとMozcのインストール。

sudo apt install -y fcitx-mozc dbus-x11
sudo sh -c "dbus-uuidgen > /var/lib/dbus/machine-id"

Fcitxに関する設定。

~/.profile に以下を追記。

export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
export DefaultIMModule=fcitx
if [ $SHLVL = 1 ] ; then
  (fcitx-autostart > /dev/null 2>&1 &)
  xset -r 49  > /dev/null 2>&1
fi

入力メソッドの設定

以下のコマンドで、入力メソッドの設定を開きます。

fcitx-config-gtk3

タブ「入力メソッド」に、Mozcが表示されていることを確認します。
表示されていない場合は「+」ボタンで追加します。
私の場合は、日本語キーボードなのでキーボードも変更しています。

WSLg-PyCharm-00

私の場合、変換・無変換キーでMozcの有効無効を切り替える設定にしたかったので、
以下のページを参考に設定します。

linux MintのFcitxで変換キー・無変換キーでオン・オフを切り替える | 山本隆の開発日誌 https://www.gesource.jp/weblog/?p=7495

設定を行った後の設定画面のイメージです。

WSLg-PyCharm-01

PyCharmのインストールと設定

PyCharmのダウンロードとインストール

以下からLinux用 PyCharm Community版をダウンロードします。

ダウンロード PyCharm | JetBrains https://www.jetbrains.com/ja-jp/pycharm/download/#section=linux

ダウンロードしたtarファイルをカレントディレクトリにおいて、
以下のように展開します。(例は2022.2.3の場合)

mkdir ~/opt
tar zxf pycharm-community-2022.2.3.tar.gz -C ~/opt

次のコマンドでpycharmを起動する事ができます。

~/opt/pycharm-community-2022.2.3/bin/pycharm.sh

PyCharmへのブラウザの設定

PyCharmで表示されるURLをクリックした時に、
Windows側のブラウザを利用したい場合の設定です。

次のようにメニューをたどり、ブラウザの設定を開きます。
Files -> Settings -> Tools -> Web Browsers and Preview

ここで「+」ボタンでブラウザを追加して、Windows側のブラウザのパスを指定します。
Chromeの場合は、次のようになります。
/mnt/c/Program Files/Google/Chrome/Application/chrome.exe

Default Browserも追加したものに切り替えておきます。

WSLg-PyCharm-02

Windows側にショートカットを作る

Windows側のプログラム一覧から、
直接PyCharmを起動できるように、ショートカットを作ります。

エクスプローラーのURL欄に「shell:programs」を指定し、
プログラムの場所を開きます。

コンテキストメニューの「新規作成」→「ショートカット」で、
項目の場所を、次のように指定します。 ※(ユーザ名)は自分のアカウント名に置き換える。

C:\Windows\System32\wslg.exe ~ -d Ubuntu-20.04 -u (ユーザ名) /home/(ユーザ名)/opt/pycharm-community-2022.2.3/bin/pycharm.sh

任意ですが、作成後にプロパティから「作業フォルダー」を、
次のように置き換えておいても良いかと思います。

\\wsl$\Ubuntu-20.04\home\(ユーザ名)

以上。