物があふれる時代の効率化:効率化限界説への疑問
効率化限界説と名前をつけたみたが、
『物がない時代には作れば売れるので、効率的に物を作ることが大事だったが、
物があふれる時代には、人が欲しがる物を作らなければ売れない。
だから、効率化ではなく、イノベーションや発想などがキーになる。』
というような主旨の主張を耳にすることがある。
そのような主張は、まぁその通りだねと思うのだが、
そこから「だから効率化って要らないよね」となってしまうのは、
おかしいなと感じるので、ここに少し書いてみたいと思う。
まず、効率化によって減らせるものを考えてみよう。
大まかに「要員数」「所要時間」の2点が考えられる。
まず、要員数を減らすことは、
人件費削減とコミュニケーションコスト削減に繋がる。
人件費削減はあきらかとして、
コミュニケーションコスト削減とは、
人が減ることによって(ミーティングの設定、周知連絡などの)調整の手間が減ることを指す。
次に、所要時間を減らすことで、これも明らかなのだが。
効率化によって減らせる(減らしやすい)所要時間は、
だいたいは繰り返しの単純作業になる点が多いことに注目したい。
ここまで「効率化で減らせるもの」を考えてみたが、
ここで述べたような減らせるものをきちんと減らしてやれば、
イノベーションや発想を生むための「考える時間」が作れるのではないだろうか?
実際のビジネスの現場では、
効率化できてないことによって単純作業に追われて考える時間が取れない
ということが多いのではないかと考えられる。
単純作業(日々の運用)に追われて考える時間が無く、
素人同然の外部コンサルタントに考える部分を依頼した結果、
見当違いの方針が出てきて、ビジネスを成長軌道に乗せられない。
ということが、頻繁に起こっているのではないかとも思う。
また、コンサルタントがそのビジネスを知るところから始めるよりも、
ビジネスを知っている現場の人間が考えた方が、断然スピードも速い。
物があふれる時代、効率化で「考える時間」を生み出した結果。
より速いスピードで、
革新的だったり新しい発想のサービス・商品が生まれてくれば、
きっともっとワクワクする面白い世の中になるんだろうな、
なんて、考えてみた。