使いやすさの技術力
「技術者が作ったものだから、使いにくい。」
というような意見を、時々耳にする。
この意見は、正しいとも言えるし、間違っているとも言える。
一歩離れて考えてみよう。
「技術者でない人が作れば、使いやすいものができるか?」
結論は、技術が無いから何も出来ないというのが正解。
と言うのは極論だが、
「技術者でない人が参画すれば、使いやすいものができるか?」
というと必ずしもそうではない。
使いやすいものを作ろうとすると、
使いやすさの技術を知った技術者が参画することが最も確実だと言える。
使いやすいものを作るための技術というものがある。
そして、その技術を知っているのは技術者である。
使いやすさの技術には、
誰がそれを使うのか、どのような時に使うのか、どのような姿勢で使うのか、
と言った要素を整理する事や、
モニターを使った評価方法にも、定量的な評価やヒアリング技術が必要である。
これらは、技術者の持つ技術である。
残念ながら、素人が参画しても、使いやすいものが出来る可能性は低い。
良くて、参画した人だけが使いやすいものが出来る程度だろう。
「技術者が作ったものだから、使いにくい。」
それは技術者の専門性の裏返し。
自分が取り組む分野以外の技術力には乏しい技術者は多い。
使いやすさの技術を持った技術者が、メンバーに居なかったら、
使いにくいものが出来てしまうことは多いだろう。
決して、技術者以外が作れば、使いやすいものが出来るわけではない。