スニーカー大賞受賞作ということで絶賛されている小説。角川スニーカー文庫といえば、ライトノベルの世界でかなり有名な文庫なのだから、そこで大賞とる作品という事で、さぞ面白いのであろうと言う。期待と少しの疑いを持ってこの作品を読んでみた。結論から言えば、とても面白いと思う。身も蓋もないが。
 タイトルにもなっている涼宮ハルヒというキャラクタは、高校に入学した直後のクラスの自己紹介の場で「ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」という発言を行う。物語は、そのハルヒの前の席に座っているキョンと言うニックネームの主人公の一人称で語られる。
 物語の展開は、主人公がハルヒの好き勝手に振り回され、SOS団(世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団)と言うものを結成する。その団は、何か面白いことが無いかを探すために街をうろうろとすることが活動なのだが。ハルヒが適当に集めてきた団員がみな、ただの人ではなく。そして、この世の中を面白くないと感じたハルヒは、この世界を捨ててしまう。物語の始まりは、わがままな女の子に振り回されるだけの男の子のお話という感じなのだが、ストーリーの構成が面白く。この一冊で綺麗に展開がまとまっていると思う。