ほたるの星
「ぼくらの七日間戦争」でお馴染みの宗田理氏が取り組んだ物語ということで手にとって読んでみた。映画化を考慮の上で書かれた小説ということもあり、すらすらと読み進めることができた。読み進めていて、まず感じたのは懐かしいという感覚だった。もちろん平成16年に作成された物語らしく子供がインターネットでホタルについて調べたりもしているが、物語の雰囲気は「ぼくらの七日間戦争」と同じ雰囲気を持っていると感じた。
巻末に、映画「ほたるの星」の監督である菅原浩志氏の撮影後記なるものがあり、その中で「軟弱で線の細い男が多くなっている昨今、逞しく男らしく、それでいて…」という俳優に三輪元を演じて欲しかったと記されている。が、僕がこの物語を読んでイメージした三輪元は、どちらかというと軟弱で線の細い主人公だった。三輪元は、強い主人公ではなく、(この物語の体験を通して)強くなっていく主人公なのではないだろうか。