WindowsとLinuxにおけるJDKのセットアップ
まず始めにJava開発環境を整えなければ何も始まりません。世の中には非常に多くのJavaの開発環境がありますが、残念ながら私自身がそのすべてを使ってみることはできません。そこで様々な開発環境を紹介する代わりに、それぞれのホームページへのリンクをまとめさせてもらいました。その後、標準のJDKのセットアップについて解説させていただきます。また、Java言語のイントロダクションとしてHelloWorldプログラムの作り方を紹介します。
Java開発環境リンク集
- JDK (Sun) …Solaris,Windowsに対応する標準の開発環境。
- JBuilder (Inprise) …Windowsに対応。
- VisualCafe (Symantec) …Windowsに対応。
- VisualAge for Java (IBM) …Windows,OS/2,AIXに対応。
- PowerJ (Powersoft) …Windowsに対応。
- SuperCede (Softboat) …Windowsに対応。
JDKのセットアップ ~Linuxの場合
ここでは、LinuxでのJDK(Java Development Kit)のセットアップについて解説します。以下の様にセットアップを行って下さい。私がテストした環境は、Slackware7.0です。参考にして下さい。
JDKのダウンロード
Linux用のJDKは様々なものがありますが、ここではBlackdown(日本でのミラーサイトはKDD Lab)から’jdk-1.2.2-RC3-linux-i386.tar.bz2’と’jdk-debug-1.2.2-RC3-linux-i386.tar.bz2’を入手します。
※このversionはglibc2.1対応なので、glibcのversionが2.1でない場合は他のversion(JDK1.2など)を利用して下さい。
JDKの展開
ダウンロードしたJDKを展開します。
以下の例はダウンロードしたファイルが/fooの下にある場合です。ここでは、スーパーユーザーになって/usr/localの下にJDKを展開します。
$ cd /usr/local~
$ tar yxvf /foo/jdk-1.2.2-RC3-linux-i386.tar.bz2~
$ tar yxvf /foo/jdk-debug-1.2.2-RC3-linux-i386.tar.bz2
JDKの環境設定
次にJDKの環境設定です。この作業はJDKを利用するユーザになって行います。javaにPATHを通すので、ユーザのホームディレクトリにあるファイル’~/.bashrc’に以下の内容を書き加えてください。
export PATH=/usr/local/jdk1.2.2/bin:$PATH
書き加えたら、以下を実行します。
$ source ~/.bashrc
セットアップの確認
セットアップが成功したかどうかを簡単に確認します。‘java -version’と実行してください。JavaのVersionが表示されればインストールは成功です。
$ java -version
インストールに成功していれば、以下のように表示されます。(全く同じに表示されるとは限りません)
java version "1.2.2"~
Classic VM (build Linux_JDK_RC3, native threads, sunwjit)
JDKのセットアップ ~Windowsの場合
ここでは、WindowsでのJDK(Java Development Kit)のセットアップについて解説します。以下の様にセットアップを行って下さい。私がテストした環境は、AT互換機版MicrosoftWindows98です。参考にして下さい。
JDKのダウンロード
Windows用のJDKは様々なものがありますが、ここでは本家の[[SunのJDK1.2のページ:http://java.sun.com/products/jdk/1.2/ja/]]から’jdk1_2_2-win.exe’を入手します。
JDKの展開
ダウンロードしたJDKを展開します。「スタートメニュー」→「ファイル名を指定して実行」でダウンロードしたファイルを実行します。後はインストーラの指示に従ってください。
JDKの環境設定
次にJDKの環境設定です。javaにPATHを通すので、「MS-DOSプロンプト」を開いて以下を実行してください。(以下コマンドの実行はすべて「MS-DOSプロンプト」で行います)
以下は標準のディレクトリにインストールした場合です。
C:\>set PATH=c:\jdk1.2.2\bin;%PATH%
※JDKを利用するたびにPATHを設定するのは面倒なので、バッチファイルに上の内容を書いて、「MS-DOSプロンプト」のパッチファイルに設定しておくか、‘autoexec.bat’に直接上の内容を書き加えるとよいでしょう。
Java HotSpotのダウンロード
ここまでで、JDKのセットアップは終了ですが、高速化するためにJava HotSpot(Java HotSpot Performance Engine)をインストールすることにします。JDKと同様に[[SunのJava HotSpotのページ:http://java.sun.com/products/hotspot/]]から’hotspot1_0_1-win.exe’を入手して下さい。ちなみにこのヴァージョンを使う場合は事前に必ずJDK1.2.2をインストールして下さい。
HotSpotのインストール
ダウンロードしたHotSpotを展開します。「スタートメニュー」→「ファイル名を指定して実行」でダウンロードしたファイルを実行します。後はインストーラの指示に従ってください。
セットアップの確認
セットアップが成功したかどうかを簡単に確認します。‘java -version’と実行してください。JavaのVersionが表示されればインストールは成功です。
C:\>java -version
インストールに成功していれば、以下のように表示されます。(全く同じに表示されるとは限りません)
java version "1.2.2"~
HotSpot VM (1.0.1, mixed mode, build g)
HelloWorldプログラムの作り方
さて、ここまでで開発環境のセットアップができましたので、次は実際に何かプログラムを作ってみることにします。と言えば、どんなプログラミング言語でもお馴染みのHelloWorldプログラム(‘HelloWorld’と表示するプログラム)を作ってみることにします。
環境変数CLASSPATHの設定
実行するファイルを入れるディレクトリにCLASSPATHを通します。ここでは、カレントディレクトリにCLASSPATHを通すことにします。
Linuxの場合は、以下の内容を’~/.bashrc’に書き加えます。
export CLASSPATH=.:$PATH
書き加えたら、以下を実行します。
$ source ~/.bashrc
Windowsの場合は、以下を実行します。
c:\>set CLASSPATH=.;%CLASSPATH%
※JDKを利用するたびにCLASSPATHを設定するのは面倒なので、バッチファイルに上の内容を書いて、「MS-DOSプロンプト」のパッチファイルに設定しておくか、‘autoexec.bat’に直接上の内容を書き加えるとよいでしょう。
作業用ディレクトリの準備
次に作業用のディレクトリを用意します。ここでは、Linuxの場合は’~/java’、Windowsは’c:\java’とします。
Linuxの場合:
$ cd ~/~
$ mkdir java~
$ cd java
Windowsの場合:
c:\windows> c:~
c:\windows> cd \~
c:\> md java~
c:\> cd java
プログラムの編集
それではプログラムの編集に移ります。以下の内容をLinuxならばvi、Windowsならばメモ帳などを用いて編集し、‘HelloWorld.java’という名前で、上で作った作業用ディレクトリに保存して下さい。
class HelloWorld {
public static void main(String args[ ])
{
System.out.print("Hello World !");
}
}
プログラムのコンパイル
それではこのプログラムをコンパイルします。
Linuxの場合:
$ javac HelloWorld.java
Windowsの場合:
c:\java> javac HelloWorld.java
※何も表示されなければ、コンパイルは成功です。エラーメッセージが表示された場合はプログラムにミスがあると考えられるので、もう一度編集し直して下さい。
プログラムの実行
それではこのプログラムを実行します。
Linuxの場合:
$ java HelloWorld
Windowsの場合:
c:\java> java HelloWorld
※以下のように表示されればプログラムは完成です。
Hello World!
しかし、以下のように表示された場合はCLASSPATHが通っていないことが考えられるので「環境変数CLASSPATHの設定」をやり直して下さい。
Exception in thread "main" java.lang.NoSuchMethodError: main