5つの力。ゴレンジャーではない。
マイケル・ポーター教授による、
業界の魅力度を分析するためのフレームワークのこと。


5つの力とは、次の5つを指す。
・業界内の競争度
・代替品の脅威
・新規参入の脅威
・売り手の交渉力
・買い手の交渉力


この理屈で言うと、
・業界内の競争が激しくなく、
・代替品が存在せず、
・新規参入が難しく(参入障壁が高く)、
・売り手の交渉力が弱く、
・買い手の交渉力が弱い、
という五拍子揃っている業界は儲かって仕方がないという事になる。


いろいろと例をあげることはできるが、
業界内の競争、新規参入の脅威、売り手・買い手の交渉力については、
「ま、そうなんだろうな」という感じのものが多い。
# 実際にこれらの力を利用して、
# その業界で儲けるというのは簡単なことではないとは思うが。


で、個人的に面白いなと思うのが「代替品の脅威」。
この力は、業界という視点だけでなく、
消費者の視点から代替となりうるものを見つめる必要がある。


「カラーテレビ」は「白黒テレビ」の代替品という例もある。
そのような例だけでなく、
例えば、電車の中の時間つぶしという観点で考えると、
「iPod」を「新潮文庫」の代替品と考えることもできる。
このような発想をすると、思わぬ伏兵が代替品として登場することに気づく。


最近、「立ち食い蕎麦」の店って減ったと、思いませんか?
「立ち食い蕎麦」は日本を代表するファースト・フード。
ところが、欧米からやってきたマクドナルドのようなファースト・フードが、
「立ち食い蕎麦」の代替品として、その市場に攻め入ってきた。
歩きながらでも食べられる欧米のファースト・フードが、
「立ち食い蕎麦」よりも、短時間で食事を済まさなければならない、
という消費者のニーズを満たした結果だと考えられる。


市場は厳しい。
ただ、「立ち食い蕎麦」と言う日本独特のファースト・フード文化が、
追いやられていく姿は、ちょっと寂しい。