異色な作品、というか「異色作家を骨まで味わう」と帯に書いてあった。そもそも文学には、異色なものは多いので、読んでみても異色だという印象は余り無かった。
 この物語の中心には、コンピュータのような頭脳、テレパシー、テレキネシス、テレポーテーションなどの能力を持つ赤ちゃんや少女、青年などが集まって、一つの生命体として機能する集団人(ホモ・ゲシュタルト)が居る。集団人は、構成するそれぞれが、それぞれの機能を担う。コンピュータのような頭脳を持つ赤ちゃんはそれだけでは何も出来ず、指令を与える頭脳が必要になる。テレパシーやテレキネシスなども同じ事が言える。そのようにしてこの集団人は、人間社会の中には上手くとけ込んでいないのだが、人間以上の力を発揮する。そして物語は展開していく。
 正直なところ、物語の展開はもう一回ぐらい読まないときちんと捉えられないような気がするのだが、ちょっと荒削りな印象も受けた。