涼宮ハルヒシリーズの三巻目でこちらは短編集となる。涼宮ハルヒの退屈、笹の葉ラプソディ、ミステリックサイン、孤島症候群の4作品で構成される。
 1、2巻目とだんだん気楽な感じの物語になっていっているが、短編集になるとさらにお気楽で読みやすい作品になっている。涼宮ハルヒの退屈などは特に、草野球をするだけというスニーカー文庫っぽい、漫画チックな作品になっている。
 笹の葉ラプソディは、主人公のキョンと朝比奈ミクルが、3年前の中学生時代の涼宮ハルヒに会うという物語。孤島症候群は、クローズドサークル(閉鎖環境とも呼ばれ。ミステリー小説によく出てくる、外部から遮断された環境のこと。遮断された環境で事件が発生すると犯人候補が絞り込まれ、探偵が犯人を特定する描写を描きやすくなる。)で発生する殺人事件の物語。
 あとがきにも書かれているが、笹の葉ラプソディは伏線として用意されている短編。孤島症候群に至っては、次は雪山と作品中で述べられている。というように、シリーズとして次へ繋ぐことが意識されている作品が多いという印象を受けた。