この巻で、円は独りぼっちというか、新しいファミリーの中へ完全に入っていく。新しい中に入るために、姉妹たちと別れを告げていく。その為に、この世界が終わることに立ち向かわなければならないのだが、それに打ち勝つための手法が恋愛なのだろうか。円は蛍以外にもたくさんの人と、恋愛というものをしていっているが、結局気持ちというものは蛍なのであり、ほかの恋愛というものはなんだか話の飾りとしておかれている。円が主人公だから良いが、小雪が主人公なら寂しい話だろうな。しかしこれが恋愛小説の基本形なんだなと改めて思ってみた。