ミッション、ビジョン、戦略を定義する。そしてその戦略のCSF(Critical Success Factor)を財務、業務プロセス、お客様、人材の視点で整理する。それぞれのCSFに対してKPI(Key Performance Indicator)を設定して、それを月ごとにレビューしていくことで、戦略を推進していく。これがバランストスコアカードの使い方。バランストスコアカードは、戦略を立てるだけ、現場が効率的に動くだけでなく、それを結びつけるために活用する。
 実はこの本を読むずっと前に、バランストスコアカードの本を読んだことがあったのだが、その本ではバランストスコアカードが何なのかが良くわからなかった。僕自身に背景の知識が増えたので、理解しやすくなったという面もあるとは思うが、この本が容易でわかりやすく記されている点が大きいと思う。親しみやすい図やエピソードが、含まれていて読み物と言う感覚で読むことができた。特に、パート4の「バランス・スコアカードの近未来」はかなり方の力を抜いて読むことができると思う。
 この本を読んでみて感じたバランストスコアカードの一番の特徴は、戦略を「実行」するためのツールであるということ。世間で見かけるほとんどのフレームワークが戦略を立てるためのツールであることと対称的だと感じた。