前著「顧客リレーションシップへの挑戦 『コールセンター』のすべて −企画から運用まで−」と、多くの部分が重複する内容。この続編の方が若干新しいテーマを扱っているかな、という感じがした。特に、「第�V章 Webコンタクトセンターの構築」の、電子メールを使用したコンタクトセンターについては、前著でも取り上げられていたが、この本では更に多くのページを割いて取り上げられている。この部分で、電話と電子メールのブレンド・オペレーションについても述べられている部分に関心を持った。電話のみのコンタクトセンターでは、コールが多いときにはインバウンドにオペレータを割り当て、コールが少ないときにはアウトバウンドにオペレータを割り当てるという運用が考えられる。しかし、電話と電子メールのブレンド・オペレーションを行うと、コールが多いときには電話のオペレーション、少ないときには電子メールのオペレーションという様にオペレータを割り当てる事ができる。対応にある程度のタイムラグが許される電子メールの特性を利用した上手で、効率の良い運営方法だと感じた。
 前著の時も感じたが、この本でもやはり内容がちょっと古いなという印象を持った。2001年という4年も前に書かれた本なので当然とも言える。ただ、4年前に既に、先ほどの電話と電子メールのブレンド・オペレーションなどが取り上げられていたという事を考えると、先進的な本だったのだと感心する。