仕事の都合でコールセンターのシステムに携わることになりこの本を手にとった。この本にはコールセンターの重要性、コールセンター開設のプロセス、コールセンターシステムの構成要素、CTI(コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション)、コールセンターで利用するNTTのネットワークサービス、コールセンターの今後について解説が示されている。この本を手に取った目的の一つである、コールセンターの業務や構築技術に関する専門用語の理解については、十分に用を足すことができたと感じられた。実際に、この本ではコールセンター構築のプロセスよりも、構成要素や構築技術の解説に多くのページが割かれている。
 あとがきにも書かれていた事だが、昨今のビジネスはドッグイヤーで進む。その為、2000年に出版されたこの本の内容では少し古いのかなという印象を受けた。コールセンターの今後で示されている電子メール・コールセンター、IPテレフォニーなどは、今後というよりも既に現在のことである。しかし、コールセンターの管理や構築のための知識を概観するためには、読みやすくもあり、良い本だと思う。