精神分析の理論と両方への応用が解説された本。この本がわかりにくいという訳ではないが、僕自身はこの本の内容をあまり理解することができなかった。実際に本書は平易な言葉で書かれておりわかりやすい。しかしながら、精神分析独特な科学の考え方が取っつきにくかったのではないかと思う。精神分析の入門書を読んで、精神分析の共通言語をある程度知った上で読まなければ混乱してしまう本だと思う。決して入門書ではない。
 本書で取り上げられている事は、無意識、自由連想法、精神の構造(イド、自我、超自我)、精神の発達段階(口唇期、肛門期、男根期、性器期)、不安、夢解釈、象徴など。フロイトの精神分析によっている部分が多いと思われるが、フロイト以外の学派についても取り上げられている。僕自身はフロイトというと、精神面をとにかく性的な事に結びつけて解釈する考え方というイメージが強かったのだが、この本を読んでみてそれ以外にもいろいろな精神分析の考え方があるのだなという発見をした。
 フロイトの考え方について概観しておこうと思いこの本を手に取ったのだが、十分理解できなかった悔しさもあるので、いずれ機会を見つけてフロイトの精神分析入門も読んでみようと思う。