Java言語によるオープンソースのソフトウェア開発環境として有名なEclipseの使用方法の解説書。Eclipseプラットフォームの基本的な使用方法、チーム開発でのソフトウェア構成管理(CVSの使い方)、Eclipseのプラグイン開発について解説されている。400のTipsとして細切れに解説がされているので、どこからでも読むことができる反面、情報が十分に整理されていないような印象を受けた。
 この本を手に取ったのは、ソフトウェア開発効率・品質向上のためにEclipseプラグインを開発をしたい思ったのが理由。残念ながらEclipseのプラグインの解説書が見つからなかったので、比較的プラグインについての解説が多かったこの本を読むことにした。プラグイン開発を行う上での、プラグイン開発におけるランタイム・ワークベンチの使い方などがわかったのは収穫だった。しかしながら、ある程度予測はしていたものの、本来の目的であるプラグイン開発の知識を得たいという意味では不十分な本だった。その点は置いておくとしても、この本の想定する読者層がいまいちわからない。初心者向けでも、上級者向けでも無いような気がする。
 Eclipseプラグイン開発の本があまり無いのは、既に良いプラグインが豊富に存在する証拠でもあるので良いことだとは思う。しかし個人的に、Eclipseのプラグインによってソフトウェア開発の生産性向上はまだまだできると考えている。Eclipseは変化・進化のスピードの速いソフトウェアでもあるので、まだしばらくはインターネット上の情報を中心に利用する必要がありそうだ。