ケースメソッドとは何かという基本的な解説、ヤマト運輸のケースを使用したケースメソッドの実例、ケースメソッドを行う上で利用できるツールの紹介という構成の書籍。ハーバード、スタンフォード、慶応などのビジネススクールでよく使われているというケースメソッドだが、具体的にどのようなものなのかというといまいちイメージしにくい印象があった。そこで、具体的なケースメソッドの事例が載っているこの本を手にとって読んでみた。具体的なケースを読むこともでき、また実際のケースメソッドのレポートやプレゼン資料を見ることもできたので、ケースメソッドというものをより具体的に知ることができ有益だった。
 本書のケースメソッドとは何かという説明の中で、ケーススタディとの比較されている部分があった。ケーススタディは、理論的な原理・原則を発見することを目的として行う学術的な研究。ケースメソッドは、ビジネス上の意志決定力、問題解決力を高めることを目的として行われる教育方法。この説明にはなるほどと思った。ケーススタディとケースメソッドは類似のモノという印象があるが、これらはケースを利用する目的が全く異なっていることが明らかだと言うことが理解できた。