77冊のビジネス書について、要約・背景・影響について紹介されている本。一通り読んでみた最初の感想は、「物足りない」。77冊もの本に書かれている内容を1冊の本に要約してしまっているので当たり前ということも言えるし、良書が紹介されているので読みたくなるのは当然であるということも言えると思う。
 紹介されている本は、「P・F・ドラッカー」「マイケル・ポーター」「アダム・スミス」「J・M・ケインズ」「F・W・テーラー」など、定番中の定番が多い。経営学を学ぶのであればこれくらいは読んでおかなければならないという本ばかりという印象を受けた。その中で、異色という印象を受けたのが、宮本武蔵「五輪の書」、孫子など。戦いにおける心得、兵法書ということで経営学とは関連性が無いように思うが、企業戦略という言葉にも戦略とあるように、企業経営と軍事は似ている部分が多いと言うこと。ドラッカーやポーターなどの経営書以外にも、このような本を読んでみるのも為になるのかな、という感想を持った。
 それ以外に皮肉っぽい本も紹介されている。ローレンス・J・ピーター「ピーターの法則」では、課長で優秀な人間は部長に昇進する、しかしその人が部長として優秀とは限らない。というように、人は優秀とはされない職位まで出世していく。その結果、組織は無能な人間ばかりになっていくということを取り上げている。スコット・アダムス「ディルバートの法則」はコミックで経営を皮肉っている。これらについては、ビジネス書でありながら、息抜きの感覚で読めそうな本のような印象をもった。
 このメモを書きながら、改めてこの本をぱらぱらとめくっていると、読んでみたい本がたくさんあると感じた。